医学論文翻訳表現集

医学論文翻訳表現集その26: 最近のネイティブチェックより

 

ネイティブチェックを受けると多くの学びがあります。最近のネイティブチェックから、『ナルホド』と感心したものをいくつか紹介します。

 

(1)[生じる]を<surface>で表現する。 
It remains to be seen as to what exact changes will surface after surgery.
(手術後にどのような変化が生じるかについてはまだ明らかになっていない)
このような<surface>は知りませんでした。日本語原稿に[表面化する]とあれば思就くかも知れませんが…。検索すると多くの使用例があります。<occur>でも通じると思います。
また、<remains to be seen>も<what exact changes>も日本人的発想にない英語的な表現です。特に[どのような変化]を<what kind of changes>とするとダラダラしていまい、避けたいです。

 

(2)[を考慮して]を<by looking at>で表現する。
These results were evaluated by looking at the correlation between A and B.
(結果はAとBの相関性を考慮に入れて評価された)
通常、反射的に[考慮して]=<considering>と考えがちです。ここでは<by looking at>と修正されました。検索してみると頻度の高い表現です。

 

(3)[を考慮して]を<review>で表現する。
A pathological review of ~identified that~.
(~の病理学的特徴を考慮して~)
ここも<considering>を使って訳したのですが、このように<review>を使って修正されました。

日本人の頭の中で定着している[考慮して]=<considering>という関係は、翻訳上は要注意です。その文脈の[考慮]の真意を探る必要があります。

 

(4)[を認める]を<include>で表現する。
These included 6 cases of lung metastasis and 5 cases of liver metastasis.
(そのうち6例に肺転移を認め、5例に肝転移を認めた)
<~were observed>と訳していたのですが、<include>を能動態で使って修正されました。<include>は、論文では大活躍する超頻出のstrong verbです。原稿に[含む]とは滅多に出てこないので要注意です。

 

(5)[関与する]を<play a role on>で表現する。
Research shows that mental stress plays a role on the onset of hypertension.
(ストレスが高血圧の発症に関与していると指摘されている)
[関与]=<involve>という固定概念がありましたが、このように修正されました。
ちなみに、[指摘する]も<Stress is pointed out~>と直訳していましたが、修正されました。文脈にもよりますが、[指摘する]=<point out>も危険な固定概念です。

 

(6)[経時的変化]は<temporal changes>か、<changes over the time>か?
どちらも日本語訳が同じなので、どちらを選べばよいか悩ましい表現です。前者はある一定時間毎(=tempo)に測定した変化で、後者はある一定期間内(=over)に観察された変化を指します。

 

(7)[時間経過とともに]を<as time progressed>する。
ABC decreased significantly as time progressed until 6 months after giving birth.
(時間経過とともにABCが産後6ヵ月まで有意に減少した)
日本の辞書には全く出てこないです。しかし論文では<progress>を使って頻出しています。<as time goes by>は映画のタイトルです。個人的にはちょっと間接的な感じがあります。

(8)[解明されること]を<findings>で表現する。
We hope that findings on the role of the defense system will help in identifying~.
(本研究で解明された防御機構の働きが~の特定に役に立つことを願う)
[解明]=<clarification>と発想しがちですが、ここでは<findings>に修正されました。

 

(9)[思われる]を<will>で表現する。
Patients at high risk of recurrence will need careful follow-up.
(再発のリスクの高い患者は十分な経過観察が必要と思われる)
原稿に頻出する悩ましい[思われる]を<be thought/considered that>を使って訳す必要は必ずしもありません。むしろ訳さないほうがいい場合もあります。

 

(10)<present>の使い方2つ:[生じる]、[が見られる
Since distant metastases were present, the patient was referred to other facility.
(遠隔転移が生じたため、患者は他の施設に紹介された)
No signs of autoimmune disease were present.
(自己免疫疾患の合併症の徴候は見られなかった)
<present>が、[存在する]という訳語がないと出てこないのは損です。いろいろな場面で活躍しています。

 

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