医学論文アクセプトに関する本の紹介

ここでは医学論文をアクセプトに導く書籍の紹介をしています。

書評:「なぜあなたは論文が書けないのか?」

書評:『なぜあなたは論文が書けないのか?』

 

メルマガからこのページに来られた先生方、ありがとうございます。

最近、ドキッ、とするようなタイトルの本を読みました。初版後すぐに2刷が出ていますので、よく売れていると思います。そのタイトルのごとく、『なぜ論文が書けないのか』が解説してあります。
内容は、
第1章:『あなたが論文をかけないのには理由がある』
第2章:『全ての物事は2度作られる』
第3章:『なんとなく書いていないか?』
第4章:『書いただけで終わっていないか』
の4部構成です。

医学論文を執筆しない私にとってもためになったのは第3章でした。その副題は《メリハリをつけるパート別論文執筆のコツ》となっています。論文の各セクションで何をどう書けば良いのかが解説されています。
私もこの手の書籍をこれまでに何十冊も読んできましたが、最近読んだ参考書の中では最も有益な書籍でした。ナルホド、ナルホド、アクセプトされる論文はそのように構成すれば良いのかと、素人ながらとても勉強になりました。

 

 さて、その第3章の中でも、私が非常に興味をもって読んだのは、139ページの、『全てのパートが同じベクトルを持って書かれているか』という一節です。
 アブストラクトもイントロも結果も考察も、全て「結果」に向かって、同じベクトルを持って書かなければならないことが強調されています。それぞれのパートがみな同じ方向を向くことが論文の全体的な説得力につながると解説されています。これはとても当たり前のことですが、往々にして日本人の弱点であり、ロジカルな英文を書くためには非常に大切なことです。

 

 実は数年前に、ある素晴らしい書籍との出会いがありました。それは『理科系のための英文作法』(1994年)と『どう書くか、理科系の為の論文作法』(2001年)という書籍でした(ともに杉原厚吉著)。これらの著書の中でも同様のことが解説されています。そこでは、『ロジカルイングリッシュ』とは『話しの筋道に道標をつける』ことという旨の解説がなされていました。読者を説得するためには、読者を論文の中で迷子にさせることがないように(←コレ、大切です)、道標を立てるように文章を書き、スムーズに結論に導くことが重要であると説かれています。この『話しの筋道に道標をつける』という解説で、私の長年の『ロジカルイングリッシュ』とは何かという疑問は氷解しました。巷の解説書の多くが、結論が重要とか、主語が重要などといった具合に、部分々々に焦点を当てており、文章が全体的に論理的であるためには何が必要かという解説に欠いていました。

 

 さて今回、『なぜあなたは~』を読んで前述の2冊の名著を思い出しました。『全てのパートが同じベクトルを持って書かれているか?』という問いかけも、『話しの筋道に道標をつける』という指摘も、伝えようとしているエッセンスは同じです。各パートが連動して読者を結論に向けて導く必要がある、というわけです。
 私は、この点が日本人的発想で論理的な文を作成する際の盲点だと思っています。細かい技が上手くても全体的な印象が悪ければ評価は下がると思います。全体的な印象とは、どれだけスムーズに(=負荷なく)読者を結論まで導いて、ナルホド!と感心させたか、ということです。この点に気づかせてくれたこれらの3冊の著書に出会えたことに私は感謝しています。
 私は論文を執筆することはありませんが、たまに長い文章を書くときは、必ず自分に『全てのパートが同じベクトルを持って書かれているか?』、『話しの筋道に道標をつけているか?』と自分に問いかけながら書いています。

 

書評:論理的な英語が書ける本

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